夕陽が川原の向こうに沈み、空は一面、橙色に染まっていた。
 自分がいる川原には、たくさんの人で一杯だった。

 どうして
 何で
 こうなってしまったのだろう

 そんな思いだけを胸に、一人ぼうっと突っ立っていた。
「行くか――?」
 不意に、一人の少年が自分に話しかけてきた。その言葉の意味を掴み損ねた俺は、首を僅かに傾げてみせる。
「俺と、来るか?」
 少年は、そう言って小さな手のひらを差し出してきた。
 自分も頷き、その手をとる。
 少年はふっと笑うと、川の流れる音を背後に、歩き出した。

 その日は、快晴。
 夕刻に、川原で謀反を起こした大罪人の死刑が執行された日――。
 そして、彼との始めての出会いの日――。